「氣志團万博2024」開催によせて

2003年と2006年に単独で開催し、2012年からフェススタイルに転向した氣志團万博。

右も左も分からないところから始めて、メガイベントから、地方イベント、アーティスト主導・主宰のイベントまで、多種多様の音楽フェスから学び、影響を受け、亀の歩みながらも10年。
少しずつ地域にも浸透し、ご理解を頂き、協力して下さる企業・行政・自治体・飲食店の方々も増え、「続ける」という事の大切さ、尊さをこの身で感じて来ました。

とは言え、順風満帆とは縁遠く、毎年のように天候に悩まされながらも、どうにかこうにか必死で開催にこぎつけて来た10年でもありました。
しかし、2019年には大型の台風が千葉県を直撃、更に翌年には新型コロナウイルスが上陸、とうとう万事休す…かと思いきや、それでも多くの皆様からのご支援と、持ち前の往生際の悪さで土俵際を粘り強く踏ん張り、九回裏二死満塁からのオンラインでの開催、そして2022年には実に3年振りの現地開催にまで返り咲く事が出来ました。

「奇跡は待つものじゃねえ、起こすものだ」
この言葉は、いつしか自分達のスローガンとなりました。

なんて、バリバリにうんならかして来たにも関わらず、昨年2023年はまさかの開催を見送る事に。
理由は自分、綾小路 翔の声帯治療の為です。
無念極まりないこの事態に、忸怩たる想いを抱えていましたが、しかし、奇しくもこの期間こそが「氣志團万博」というものを改めて振り返り、更には正面から向き合う事へのきっかけともなったのでした。

この10年間で我々が得たもの…
この10年間で我々が失ったもの…
可能性を見出したこと…
閉ざされたままのこと…
そこで浮き彫りとなった問題や不便…
果たして進歩とは…?
はたまた普遍とは…?

そこには、何が起ころうと前進を続けて来た我々だったからこその盲点があったのです。

そして、辿り着きました。

氣志團万博、生まれ変わります。
まさかのここに来て、生まれ変わります。
時期は9月の中旬から11月の上旬へ。
会場は袖ケ浦海浜公園から幕張メッセへ。
屋外から屋内へ。

同じ千葉県内だけど、爆音民族ちょい移動。
当然寂しく感じる人もいるに違いない。
毎年あの千葉フォルニアの海と、風と、パームトゥリーと再会する事を楽しみにしてくれていたもんね。
中には味気なく感じてしまう人もいるかもしれない。
房総の灼熱の太陽も、寒さに震えた午後も、田植えに湿ったスニーカーも、全部抱きしめたいほどに愛おしい思い出だから。

だけど、それでも氣志團万博は変わります。
何で変わるのか?何で変えるのか?
何に変わるのか?何に変えるのか?
何を変わるのか?何を変えるのか?
何が変わるのか?何が変えるのか?
11月はそれをお見せします。

10年もの間、我々の街に駆けつけてくれたみんな、ごめんな。
10年もの間、我々を支えてくれた地元のみんな、ごめんな。

約束する。
必ず帰る。

これはその為の大いなる第一歩。
センチな話じゃねーんだ。

2024年11月9日、10日。
「氣志團万博2024
〜シン・キシダンバンパク〜」
開催します。

必ず連れて行くぜ。
そう、ピリオドの向こうへ。

ここまで読んでくれた君に告ぐ。
「俺んとこ、来ないか?」

氣志團 綾小路 翔